○県立広島大学における研究活動の不正行為への対応等に関する規程

平成27年3月31日

法人規程第25号

(趣旨)

第1条 広島県公立大学法人(以下「法人」という。)の設置する県立広島大学(以下「本学」という。)において行われる研究活動上の不正行為の防止及び不正行為が生じた場合における適正な対応等に関しては、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日文部科学大臣決定)に定めるもののほか、この規程の定めるところによる。

(定義)

第2条 この規程において「研究活動上の不正行為」とは、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによるものであり、特定不正行為とそれ以外の不正行為を含む行為をいう。

2 この規程において「特定不正行為」とは、法人の役員、職員、大学の学生及び研究員(以下「研究者等」という。)がその在籍中に行った次に掲げる行為をいう。

(1) 研究の申請、実施、報告又は審査における故意のねつ(存在しないデータ、研究結果等を作成することをいう。)、改ざん(研究資料?機器?過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工することをいう。)又は盗用(他の研究者のアイディア、分析?解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用することをいう。)

(2) 前号に掲げる行為の証拠隠滅又は立証妨害

3 この規程において「特定不正行為以外の不正行為」とは、二重投稿(複数の学術雑誌等に本質的に同じ論文を投稿することをいう。)及び不適切なオーサーシップ(論文著作者が適正に公表されないことをいう。)をいう。

4 この規程において「部局」とは、別表に掲げる組織をいう。

5 この規程において「研究資金提供機関等」とは、当該調査対象の研究に資金を提供し、又は配分している機関をいう。

(研究者等の責務)

第3条 研究者等は、研究活動上の不正行為やその他の不適切な行為を行ってはならず、また、他者による不正行為の防止に努めなければならない。

2 研究者等は、研究者倫理及び研究活動に係る法令等に関する研修(以下「研究倫理教育」という。)を受講するとともに、学生その他の若い研究者に必要な教育を行うよう努めなければならない。

3 研究者等は、研究活動の正当性の証明手段を確保するとともに、第三者による検証可能性を担保するため、実験?観察記録ノート、実験データその他の研究資料等を一定期間適切に保存し、及び管理し、開示の必要性及び相当性が認められる場合には、これを開示しなければならない。研究データの保存期間等については、別に定める。

4 共同研究の研究代表者は、研究目的、研究内容、役割分担、責任等を明確にし、共同研究者間での相互理解を促し、責任ある研究体制を確保しなければならない。

(不正防止対策)

第4条 学長は、研究者の行動規範及び不正行為等への対応の体制を整備し、研究活動の不正行為の防止に努めなければならない。

2 研究担当の理事は、研究倫理の向上及び不正行為の防止等に関する総括責任者として公正な研究活動を推進するための適切な措置を講ずるものとする。

3 部局における研究倫理教育について、実質的な責任と権限を持つ者として、研究倫理教育責任者を置き、所属する研究者等に対し研究倫理教育を定期的に行うものとする。

4 研究倫理教育責任者は、部局の長をもって充て、必要に応じ、研究倫理教育副責任者を置くことができるものとする。

(総括)

第5条 研究倫理教育及び特定不正行為に係る調査並びに認定は、県立広島大学研究推進委員会(以下「研究推進委員会」という。)が総括する。

(通報窓口の設置)

第6条 学内外からの特定不正行為の告発及び特定不正行為に係る情報提供並びに相談等に対応するため通報窓口を設置する。

2 通報窓口は、告発者及び情報提供者の人権、個人情報等を保護するため、法人における公益通報を受ける窓口である本部総務課に置き、本部総務課の長をもって通報窓口を受ける担当者(以下「通報窓口担当者」という)に充てる。

3 通報窓口担当者は、告発者の氏名、住所、電話番号、研究に係る特定不正行為の内容等が明示されたものを受け付ける。

4 通報窓口担当者は、匿名による告発があったときは、特定不正行為の内容が明示され、かつ、相当の信ぴょう性があると思われる場合に限り、受け付けるものとする。この場合において、当該告発者に対するこの規程に規定する通知は、行わないものとする。

5 前2項に規定する告発を受け付けた通報窓口担当者は、速やかに学長及び研究推進委員会委員長に報告する。

6 通報窓口担当者は、特定不正行為が行われようとしている、又は特定不正行為を求められているとの告発又は相談があった場合は、研究推進委員会委員長に報告するものとする。

7 次に掲げる通知は、通報窓口担当者が行うものとする。

(1) 告発が郵送等により行われた場合など、当該告発が受理されたか否かについて、告発者本人が知り得ない方法による告発がなされた場合の告発を受理した旨の通知

(2) 告発者が、次条第2項ただし書において氏名の秘匿を希望した場合の認定結果等の通知

(特定不正行為に係る告発)

第7条 特定不正行為の疑いがあると思料する者は、何人も、通報窓口を通じ、告発を行うことができる。

2 前項の告発は、原則顕名で行うものとする。ただし、告発者は、その後の手続における氏名の秘匿を希望することができる。

3 研究推進委員会委員長は、前条第6項の規定による報告を受けたときは、その内容を精査し、相当の理由があると認めた場合には、当該告発又は相談の対象となった研究者等に特定不正行為を行わないよう警告を行うものとする。ただし、当該告発又は相談の対象となった研究者等が大学の所属でないときは、対象となった研究者等の所属する研究機関に通知するものとする。

(職権による調査)

第8条 学長は、告発の有無にかかわらず、相当の信頼性のある情報に基づき特定不正行為があると疑われる場合は、当該行為に係る調査の開始を研究推進委員会委員長に命ずることができる。

(予備調査)

第9条 研究推進委員会委員長は、第7条第1項の規定による告発を受理した場合又は前条の規定により調査の開始を命ぜられた場合は、速やかに予備調査を実施するものとする。

2 研究推進委員会委員長は、予備調査を実施するため、必要に応じ、職員等の中から調査員を指名し、予備調査部会を設置することができる。予備調査部会の設置に関し必要な事項は、別に定める。

3 予備調査部会は、予備調査の実施に当たっては、告発者からのヒアリング等に基づき、告発内容の合理性及び調査可能性の有無について調査する。

4 予備調査部会は、必要があると認めるときは、調査対象者に対して資料の提出を求め、関係者にヒアリングを行うことができる。

5 研究推進委員会委員長は、調査を命じられた日から起算して30日以内に予備調査を終了し、当該調査の結果を、学長に報告する。

6 報告を受けた学長は、本調査を実施するか否かを速やかに決定し、本調査を実施しないことを決定した場合は、その理由を付して告発者及び調査対象者(第3項の規定によりヒアリングを行った場合に限る。)に通知するものとする。この場合において、告発者のうち氏名の秘匿を希望した者については、通報窓口を通じて通知するものとする。

(本調査)

第10条 前条の予備調査により本調査を行うことを決定した場合は、学長は、研究推進委員会委員長に調査を命ずるとともに、その旨を告発者及び調査対象者に通知し、研究資金提供機関等に報告するものとする。

2 研究推進委員会委員長は、調査を命じられてから30日以内に本調査を開始するものとし、研究活動の特定不正行為に係る調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置する。

(調査委員会)

第11条 調査委員会は、告発者及び被告発者と利害関係を有しない者をもって組織し、委員は、次に掲げるとおりとし、その人数は、必要に応じて増やすことができる。

(1) 本学の教職員 2名

(2) 外部学識経験者 2名

2 学長は、調査委員の氏名及び所属を申立者及び調査対象者に通知するものとし、調査委員に対し異議がある場合は、告発者及び調査対象者は、通知の日から5日以内の期間に異議申立てを行うことができる。

3 前項の異議申立てがあった場合は、研究推進委員会は内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、調査委員を交代させるとともに、その旨を告発者及び調査対象者に通知する。

4 調査委員会は、必要があると認めるときは、次に掲げる事項を行うことができる。

(1) 関係者からのヒアリング

(2) 研究論文、実験?観察記録ノート、実験データその他の研究資料等の精査

(3) 再現実験の要請

(4) その他本調査の実施に関し必要と認められる事項

5 調査委員会は、調査対象者が前項の調査の協力の求めに応じない場合又は資料等の隠滅のおそれがある場合は、調査対象者が所属する部局の長の承諾を得て、調査事項に関連する場所の一時閉鎖又は機器、資料等の保全を行うことができる。

6 調査委員会の構成や運営等に関し必要な事項は、別に定める。

(認定)

第12条 調査委員会は、本調査を開始した日から起算して150日以内に調査した内容をまとめ、特定不正行為が行われたか否か、特定不正行為と認定された場合は、その内容及び悪質性、特定不正行為に関与した者とその関与の度合い及び当該研究活動における役割その他必要な事項を認定する。

2 認定は、調査によって得られた、物的?科学的証拠、証言、被告発者(調査対象者)の自認等を総合的に判断して行う。また、本来存在するべき基本的な要素の不足により、不正行為の疑いを覆すに足る証拠を示すことができないときは、不正行為と認定するものとする。

3 前項に規定する認定に当たっては、調査対象者に対し、書面又は口頭による弁明の機会を与えなければならない。

4 調査委員会は、第1項の認定の結果を学長及び研究推進委員会委員長に報告する。

5 認定結果の報告を受けた学長は、その結果を告発者、調査対象者及びその所属機関(告発者及び調査対象者が本学以外の所属である場合に限る。)に通知し、研究資金提供機関等に報告するものとする。この場合において、告発者のうち氏名の秘匿を希望した者については、通報窓口を通じて通知するものとする。

(不服申立て)

第13条 調査対象者は、前条に規定する認定の結果及び第16条第2項に規定する認定結果に不服がある場合は、調査結果通知日から起算して10日以内に研究推進委員会委員長に対して書面により不服申立てを行うことができるものとする。ただし、当該期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返して行うことはできない。

2 研究推進委員会委員長は、前条の不服申立てを受理したときは、学長にその内容を報告するとともに、調査委員会に対し再調査を実施するか否かの審査を指示するものとする。

3 学長は、不服申立てがあったことを告発者に通知するとともに、研究資金提供機関等に報告する。

4 第2項の審査を実施する際、新たに専門性を要する判断が必要となると考えられる場合は、調査委員の交代若しくは追加又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせることができる。

5 調査委員会は審査の結果、再調査を実施するか否かを決定し、学長及び研究推進委員会委員長に報告する。

6 学長は、不服申立ての審査結果を告発者及び調査対象者に通知し、研究資金提供機関等に報告する。この場合において、申立者のうち氏名の秘匿を希望した者については、通報窓口を通じて通知するものとする。

(再調査)

第14条 調査委員会が再調査を行うことを決定した場合は、第11条及び第12条の規定を準用して再調査を行い、再調査の決定日から起算して50日以内にその結果を学長及び研究推進委員会委員長に報告するものとする。

2 報告を受けた学長は、その結果を申立者及び調査対象者に通知するとともに、研究資金提供機関等に報告する。この場合において、告発者のうち氏名の秘匿を希望した者については、通報窓口を通じて通知するものとする。

(認定後の措置)

第15条 第13条第1項の不服申立てが行われなかったこと又は不服申立てが行われた場合において、同条第5項の規定により再調査を行わないことを決定したこと、若しくは前条第1項の再調査を行ったことにより特定不正行為の存在が確認された場合は、学長は必要に応じ次に掲げる措置をとるものとする。

(1) 法人の規程等に照らした懲戒処分

(2) 特定不正行為と認定された論文等の取下げ勧告及び関連学会、学術誌編集委員会等への通知

(3) 関連教育研究機関等への通知

(4) その他特定不正行為の排除のために必要な措置

2 特定不正行為の存在が確認された場合は、学長は、個人情報又は知的財産の保護等、開示しない合理的な理由がある場合を除き、当該認定の概要について公表するものとする。公表する内容には次の内容を含めるものとする。

(1) 特定不正行為に関与した者の氏名及び所属

(2) 特定不正行為の内容

(3) 公表時までに行った措置の内容

(4) 調査委員会委員の氏名及び所属

(5) 調査の方法、手順等

(悪意に基づく告発)

第16条 何人も悪意(被告発者を陥れるため、又は被告発者が行う研究を妨害するためなど、専ら被告発者に何らかの損害を与えることや被告発者が所属する機関?組織等に不利益を与えることを目的とする意思。以下同じ。)に基づく告発を行ってはならない。

2 特定不正行為が行われなかったと認定される場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づくものであると判明したときは、調査委員会はその旨の認定を行い、学長及び研究推進委員会委員長に報告するものとする。

3 前項の認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。

4 第2項の認定結果の通知を受けた学長は、告発者及び告発者の所属機関の長(悪意に基づく告発を行った者が、本学以外の所属である場合に限る。)に通知する。

5 第2項の認定結果に不服がある場合は、第13条の規定により、不服申立てを行うことができるものとする。

6 悪意に基づく告発を行った者について、第13条第1項の不服申立てが行われなかったこと又は不服申立てが行われた場合において同条第5項の規定により再調査を行わないことを決定したこと若しくは第14条第1項の再調査を行ったことにより悪意に基づく告発が確定した場合は、学長は、その氏名及び所属を公表するとともに、学内の規程等に照らして必要な措置を講ずる。

7 学長及び研究推進委員会委員長は、予備調査、本調査又は再調査の結果、告発に係る特定不正行為の事実が認められなかった場合であっても、直ちにこのことをもって、悪意に基づく告発を行ったとみなし、告発者に対して不利益な取扱いをしてはならない。

(調査対象者の保護)

第17条 本学の役員及び職員は、相当な理由なしに、単に告発がなされたことのみをもって、調査対象者に対して不利益な取扱いをしてはならない。

2 法人は、相当な理由なしに単に告発がなされたことのみをもって、調査対象者の研究活動の全面的な禁止、解雇、配置換え、懲戒処分、降格、減給その他調査対象者に不利益な措置等を行ってはならない。

3 研究推進委員会委員長は、予備調査、本調査又は再調査の結果、告発又は特定不正行為の事実が認められなかった場合において、調査対象者の教育研究活動への支障又は名誉の毀損等があったときは、研究推進委員会の議を経て、その正常化又は回復のために必要な措置をとらなければならない。

(協力義務)

第18条 特定不正行為に係る告発に関係する者は、当該告発に基づいて行われる予備調査、本調査又は再調査に際して協力を求められた場合には、これに応じなければならない。

(不利益取扱いの禁止)

第19条 本学の役員及び職員は、特定不正行為に係る告発を行ったこと及び告発に基づいて行われる予備調査、本調査又は再調査に協力したこと等を理由として、当該告発に関係した者に対して不利益な取扱いをしてはならない。

2 研究推進委員会委員長は、前項の告発に関係した者が不利益な取扱いを受けることがないよう配慮しなければならない。

3 法人は、悪意に基づく告発であることが判明しない限り、単に告発したことを理由に当該告発者に対して解雇、配置換え、懲戒処分、降格、減給その他当該告発者に不利益な措置を行ってはならない。

(情報の保護及び秘密の保持)

第20条 特定不正行為の調査に当たっては、調査対象における公表前のデータ、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏えいすることのないよう十分配慮しなければならない。

2 特定不正行為に係る告発にかかわった者は、関係者の名誉、プライバシーその他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

3 調査事案が漏えいした場合は、学長は、告発者及び調査対象者の了解を得て、調査中にかかわらず調査事案について公に説明することができる。ただし、告発者又は調査対象者の責めにより漏えいした場合は、当人の了解は不要とする。

(事務)

第21条 特定不正行為が生じた場合における措置等に関する事務は、関係部局の協力を得て、経営企画室において処理する。

(雑則)

第22条 この規程に定めるもののほか、特定不正行為が生じた場合における措置等に関し必要な事項は、別に定める。

1 この規程は、平成27年4月1日から施行する。

2 県立広島大学における研究活動の不正行為に対する取扱規程(平成19年10月23日法人規程111号)は、廃止する。

(澳门皇冠2年法人規程第40号)

この規程は、澳门皇冠2年4月1日から施行する。

(澳门皇冠3年法人規程第88号)

この規程は、澳门皇冠3年4月1日から施行する。

別表(第2条関係)

部局

地域創生学部

生物資源科学部

保健福祉学部

助産学専攻科

大学教育実践センター

地域基盤研究機構

経営管理研究科

総合学術研究科

その他部局

県立広島大学における研究活動の不正行為への対応等に関する規程

平成27年3月31日 法人規程第25号

(澳门皇冠3年4月1日施行)

体系情報
法人規程等/ 組織運営/ 基本組織
沿革情報
平成27年3月31日 法人規程第25号
澳门皇冠2年 法人規程第40号
澳门皇冠3年 法人規程第88号