○広島県公立大学法人債権管理規程

平成19年4月1日

法人規程第90号

(趣旨)

第1条 この規程は、広島県公立大学法人会計規程(平成19年法人規程第79号。以下「会計規程」という。)及び別に定めるもののほか、広島県公立大学法人(以下「法人」という。)の債権の管理に関する事務の取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 債権 金銭の給付を目的とする法人の権利をいう。

(2) 債権の管理に関する事務 法人の業務によって生ずる債権の管理に関する事務をいう。

(3) 一般債権 経済状態等に重大な問題が生じていない債務者に対する債権で、貸倒懸念債権及び破産更生債権以外の債権をいう。

(4) 貸倒懸念債権 経営破綻等の状況には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じている、又は生ずる可能性が高い債務者に対する債権で、第13条各号及び第14条各号に該当する債権をいう。

(5) 破産更生債権等 経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権で、第13条第4号に該当する債権をいう。

(債権管理事務)

第3条 債権の管理に関する事務は、会計規程第17条に規定する経理責任者が総括する。

(債権の管理)

第4条 法人に帰属する債権が発生したときは、経理責任者は、経理事務管理者に通知しなければならない。ただし、発生と同時に収納により消滅する債権については、この限りでない。

2 経理責任者は、必要に応じて、担保の提供を求め、又は保証人を設定しなければならない。

3 経理責任者は、授業料等(授業料及び聴講料をいう。)債権について、別表の極度額(民法(明治29年規律第89号)第465条の2第1項に規定する「極度額」をいう。以下同じ。)を定め、連帯保証人を設定しなければならない。

4 経理事務管理者は、第1項の債権発生の通知を受けたときは、債権の内容を確認し、管理しなければならない。

(請求)

第5条 経理責任者は、管理する債権のうち履行期限が到来するものについては、速やかに納付すべき金額、納期限、納付場所、納付方法等を期した請求書により、債務者に債務の履行を請求しなければならない。

(債権の消滅)

第6条 経理責任者は、債権に係る金銭の収納があったときは、その債権の内容を確認し、債権消滅の処理を行わなければならない。

(未収金の管理)

第7条 経理責任者は、未収金について、必要に応じ債務者と当該債務者に係る債権残高を照合しなければならない。

2 経理責任者は、前号の照合の結果、差異が生じた場合は、その差異について調査を行い、原因と対応策を理事長に速やかに報告しなければならない。

3 経理責任者は、毎月、納期限を経過した債権の調査を行うものとする。

4 経理責任者は、半期ごとに、未収金の内容及び今後の回収計画について、理事長に報告するものとする。

(督促)

第8条 経理責任者は、債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。

2 督促は、督促状発行の日から20日以内の期限を指定した督促状によって行わなければならない。

3 督促状の発行は、原則として履行期限の経過後20日以内に行う。

(強制履行等)

第9条 経理責任者は、前条の規定による督促をした後相当な期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、徴収停止の措置をとる場合又は履行期限を延長する場合その他特別な事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されている債権(保証人の保証がある場合を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実効の手続をとり、又は保証人対して履行の請求すること。

(2) 債務名義のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 上記の該当しない債権(第1号に該当する債権で同号の措置をとってなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第10条 経理責任者は、債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、履行期限を延長することができる場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の保全手続)

第11条 経理責任者は、債務者の債務の履行が困難と認められる場合には、法人が債権者として、配当の要求その他の債権の申出をするとともに、必要に応じて、当該債務者について速やかに次の手続を行わなければならない。

(1) 債務者の財産の保全手続

(2) 未収入金残高の確認

(3) 未払金残高の調査

(4) 相殺手続

(債務者の財産の保全手続)

第12条 前条第1号の債務者の財産の保全手続は、次のとおりとする。

(1) 担保の提供又は必要に応じ増担保の提供又は担保の変更を求めること。

(2) 保証人の保証を求め、又は必要に応じて保証人の変更を求めること。

(3) 担保権の設定について、登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えるため必要な措置をとること。

(4) 仮差押え又は仮処分の手続をとること。

(5) 法令の規定により法人が債権者として債務者に属する権利を行うことができるときは、債務者に代位して当該権利を行うこと。

(6) 債務者が法人の利益を害する行為をしたことを知った場合において、法令の規定により法人が債権者として当該行為の取消しを求めることができるときは、その取消しを請求すること。

(7) 債権が時効によって消滅することとなるおそれがあるときは、時効を中断するため必要な措置をとること。

(債務の履行が困難な場合)

第13条 第11条の債務の履行が困難と認められる場合は、次のとおりとする。

(1) 債務者が強制執行を受けたとき。

(2) 債務者が租税その他の公課について滞納処分を受けたとき。

(3) 債務者の財産について競売の開始があったとき。

(4) 債務者が破産の宣告を受けたとき。

(5) 債務者の財産について企業担保権の実行手続の開始があったとき。

(6) 債務者である法人が解散したとき。

(7) 債務者について相続の開始があった場合において、相続人が限定承認をしたとき。

(8) 第4号から前号までに規定する場合のほか、債務者の総財産についての精算が開始されたとき。

(徴収停止)

第14条 経理責任者等は、理事長の承認を得て、債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次に掲げるものに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行期限の延長等)

第15条 経理責任者は、理事長の承認を得て、次に掲げる場合に該当するときは、その履行期限の延長をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

2 経理責任者は、理事長の承認を得て、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅延に係る損害賠償金その他の徴収金に係る債権は、徴収すべきものとする。

(債権の放棄等)

第16条 経理責任者は、債権の回収の可能性がないと判断された場合で債権を放棄するときは、理事長の承認を得なければならない。

2 債権の回収の可能性がないと判断された場合とは、債務者及び保証人について次の事由が生じた場合とする。

(1) 債務の履行期限到来後5年(法令の定めるところにより当該債権の消滅時効が5年より短いときは、その年数)を経過し、かつ、債務者の住所又は居所が不明であるとき。

(2) 強制執行その他債権の取立てに要する費用が、当該債権の金額より高額であると認められるとき。

(3) 強制執行後、なお回収不能の残額があるとき。

(4) 債務者が、破産免責によりその債務を免れたとき。

(5) その他債権の取立てが著しく困難であると理事長が認めたとき。

(貸倒引当金等)

第17条 経理責任者は、債権の回収に関する可能性を検討し、その回収が不能と見込まれる場合は、その見込額を合理的に見積もり、当該債権を対象に、次の表の区分に従い引当金に設定しなければならない。

引当金区分

対象となる債権

貸倒引当金

次項の徴収不能引当金に設定した債権以外の債権

徴収不能引当金

広島県公立大学法人授業料等に関する規程(平成19年法人規程第81号)に規定する債権

2 回収不能の見込額は、債権を債務者の経済状態等に応じて、一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等に区分し、区分ごとに貸倒見積高として算定する。

(一般債権の評価)

第18条 一般債権については、同種の債権ごとに、過去の貸倒実績率により貸倒見積高を算定する。

2 貸倒実績率は、その実績率を算定しようとする対象事業年度における貸倒損失の合計額を分子とし、その前事業年度末における債権残高を分母として算定する。

3 決算期末に保有する債権について適用する貸倒実績率の算定に当たっては、当該事業年度を最終年度とする算定期間を含むその以前の3年間の貸倒実績率の平均値による。

(貸倒懸念債権の評価)

第19条 貸倒懸念債権については、担保又は保証が付されている債権について、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の経済状態等を考慮して貸倒見積高を算定する。

2 債務者の経済状態等に関する判断に資する資料の入手が困難な場合は、担保の処分見込額及び保証による回収見込額を控除した残額の一定率を引き当て、次年度以降において毎年度見直すこととする。

3 担保の処分見込額を算定するに当たっては、合理的に算定した時価に基づくとともに、当該担保の信用度、流通性及び時価の変動の可能性を考慮する。

4 保証による回収見込額を算定するに当たっては、保証人の資産状況等から保証人が保証能力を有しているか否かを判断するとともに、保証意志の確認、法人にあっては保証契約等、保証履行の確実性について検討する。

(破産更生債権等の評価)

第20条 破産更生債権等については、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする。

2 精算配当等により回収が可能と認められる金額は、担保の処分可能見込額及び保証による回収見込額と同様に債権額から減額することができる。

(延滞金)

第21条 経理責任者は、納期限までに収納されない債権があるときは、その債権に係る延滞金を徴収することができる。

2 延滞金の額は、納期限の翌日から完納の日までの期間の日数に応じ、その未納金額につき年14.5パーセント(督促状を発する前の期間又は督促状を発した日から起算して10日を経過した日以前の期間については、年7.25パーセント)の割合で計算した金額に相当する額とする。

3 延滞金の額を計算する場合において、その計算の基礎となる未納金額に1,000円未満の端数があるとき、又はその未納金額の全額が2,000円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

4 延滞金の額に100円未満の端数があるとき、又はその全額が500円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。

5 理事長は、納期限までに納付しないことについてやむを得ない理由があると認めるときは、延滞金の全部又は一部を免除することができる。

(補則)

第22条 この規程に定めるもののほか、債権の管理に関し必要な事項は、理事長が別に定める。

1 この規程は、平成19年4月1日から施行する。

2 当分の間、第21条第2項に規定する延滞金の年14.5パーセントの割合及び年7.25パーセントの割合は、同項の規定にかかわらず、各年の特例基準割合(当該年の前年に租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第93条第2項の規定により告示された割合に年1パーセントの割合を加算した割合をいう。以下同じ。)が年7.25パーセントの割合に満たない場合には、その年(以下「特例基準割合適用年」という。)中においては、年14.5パーセントの割合にあっては当該特例基準割合適用年における特例基準割合に年7.25パーセントの割合を加算した割合とし、年7.25パーセントの割合にあっては当該特例基準割合に年1パーセントの割合を加算した割合(当該加算した割合が年7.25パーセントの割合を超える場合には、年7.25パーセントの割合)とする。

この規程は、平成27年3月5日から施行する。

(澳门皇冠2年法人規程第48号)

この規程は、澳门皇冠2年6月22日から施行し、改正後の公立大学法人県立広島大学債権管理規程の規定は、澳门皇冠2年4月1日から適用する。

(澳门皇冠3年法人規程第52号)

この規程は、澳门皇冠3年4月1日から施行する。

別表(第4条関係)

区分

極度額

備考

学部生

2,143,200円

月額44,650円×48月

専攻科生

535,800円

月額44,650円×12月

大学院生(修士課程又は専門職学位過程)

1,071,600円

月額44,650円×24月

大学院生(博士課程)

1,607,400円

月額44,650円×36月

研究生及び研修生

712,800円

月額29,700円×24月

科目等履修生、特別聴講学生及び聴講生

14,800円×履修単位数

1単位14,800円

広島県公立大学法人債権管理規程

平成19年4月1日 法人規程第90号

(澳门皇冠3年4月1日施行)