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澳门皇冠3年3月に情報マネジメント専攻を修了した中田有哉(在学中は,コンピュータネットワークの研究室に所属)さんの大学院在学中の研究成果をまとめた論文が情報処理学会論文誌澳门皇冠4年2月号に掲載されるとともに,情報処理学会の特選論文に選定されました。
情報処理学会は,会員数約2万人の我が国の最新の情報処理分野の研究において指導的な役割を果たしている学会であり,同学会が発行している論文誌には,厳しい査読を経て採録された現在の最先端IT技術に関する多くの研究成果が毎月掲載されています。
情報処理学会では,この論文誌に掲載された論文の中でも,情報処理分野の多くの研究者が参照すべき論文を特選論文として選定しています。特選論文は毎号の中から,上位10%程度が選定されることになっていますが,この度,中田君の次世代の情報指向型ネットワークに関する大学院在学中の成果をまとめた以下の論文が澳门皇冠4年2月号の中から特選論文に選定されました。
中田 有哉,他, 「NDNにおけるキャッシュの冗長性排除を目的とした人気コンテンツ集約」
論文公開URL: https://bit.ly/3NDBEsN
特選論文一覧URL:https://www.ipsj.or.jp/award/ssp_award.html
この論文は,高効率な多ユーザによる消費型コンテンツの配信を目的としたコンテンツ指向型ネットワークにおいて,高頻度で参照されるコンテンツをネットワーク中に重複なくキャッシュすることで低遅延なデータ配信を実現することを提案しています。特に,複数のルータ間における重複キャッシュをさけるために,ルータの配下のユーザがどのような傾向でコンテンツを要求するかを分析した上で,適切なルータにキャッシュする適応的なキャッシュ戦略を実装しています。また,データ分析においては,突発的なコンテンツ要求に分析結果が悪影響を受けないように,外れ値検出手法を実装することにより,従来よりも大幅にコンテンツキャッシュの利用効率を向上し,人気コンテンツのオリジナルデータを保有するサーバへの負荷を軽減できることを評価実験によって明らかにしています。